2024年4月1日から相続登記が義務化されました。

この日より前に相続が発生した場合も適用となります。

しかも罰則が10万円以下の過料と決められています。

今回は理由なく相続登記をしない場合のデメリットを整理しました。

【デメリット】

1.いざ登記をしようと思った時に相続人が増えている

司法書士としてはもうこれに尽きると言っていいくらいです。

義務化前に相続登記を必須で行う時というのは不動産を売る時が主でした。

不動産を売る場合は必ず生きている人が売主にならないといけませんので亡くなった人名義では売ることができません。

そのため生きている相続人名義に相続登記をしてから不動産を売ることとなります。不動産に抵当権を設定したい時も同様に生きている人名義にしないと手続き不可です。

いざ売るときに登記をしようと思っても、さらに相続が発生していると相続人が増えており話がまとまらない、まとまるまでに手間と時間がかかることになります。

例えば所有者が亡くなっており、当時の相続人はその配偶者と長男、長女だったとします。

登記を放置し、10年後にやろうと思った時、この間に長男が亡くなっているとその長男の嫁、子どもも相続人となります。

この時に手続きをしないとさらに、長女の子ども、長男の子どもの子ども・・・ようにどんどん人が増えていきます。人が増えると登記費用もかさみます。

相続発生直後が一番登場人物が少ないので速やかに相続登記をすることをおすすめします。

2.他の相続人が相続登記を自分が知らないうちにする可能性がある

法定相続分通りの相続登記は相続人が複数いたとしてもそのうちの1人から登記申請が可能です。

また他の相続人に知らせる必要がありません。

そして自分の分だけ登記することができないので、他の相続人の持ち分も含めて相続登記がなされます。

これで何が起こるかというと、相続人のうちの1人が自分の持分だけを売ることができます。

(自分の持分以外は勝手に売れません)

持ち分だけなので不動産業者に買い叩かれますが、どうしてもすぐにお金がほしい、相続手続きから抜けたいと考える相続人にとってはラッキーですよね。

その後持ち分を取得した不動産業者は他の相続人にも連絡を取ってきて、その人の持ち分も廉価で買おうとします。(もしくは一緒に第三者に売りませんか、となります)

知らない不動産屋から上記のような連絡がきたら一般の人にはかなりストレスだと思います。

他にも不動産の対して被害を受けた場合に火災保険や損害賠償金がすぐに受け取れない可能性や、固定資産税の負担の問題などが出てきます。

相続登記はご葬儀などが落ち着いた後速やかに行うことがおすすめです。